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【美術画廊X】山田純嗣展 絵画をめぐって―2・3・2―

2018.06.12
ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

只今、美術画廊Xで開催中の展覧会のご案内です。

山田純嗣展 絵画をめぐって―2・3・2―
■6月25日(月)まで
■6階 美術画廊 X



タイトルにある「2・3・2」の意味するところとは何なのでしょうか。
そういった部分にも注目しながら鑑賞していただくとよりいっそう楽しめる展覧会です。



何か既視感を覚えませんか? みたことあるな~…と、、
実は、どれも名画をモチーフに制作された作品なのです。

こちらは印象派の巨匠モネの睡蓮がモチーフです。国立西洋美術館にある作品ですね。



表面にラメ加工がされていて、キラキラ綺麗です!
観る角度によって色みが変化するので、横から観たりしゃがんで観たり、離れて観たりしてみてください。
刻々と変化する儚い光を捉え描かれた睡蓮のイメージを感じさせます。
でもこの素材は車の塗装にも使われる素材なので、元の作品とは対象的にとっても堅牢。意外な組み合わせです。



こちらは、酒井抱一の夏秋草図屏風ですね。東京国立博物館に収蔵されている名画です。

山田先生の作品は、東西を問わず美術史上の名画を立体化し、それを撮影した写真の上にエッチングやペインティングを重ねる「インタリオ・オン・フォト」という独自の手法によって制作されています。





「みたことがある」という感覚は、山田先生の作品を通してまんまと逆手にとられ、違和感となって私たちの心をざわつかせます。
この感覚を深追いすることが、今展の楽しみ方のひとつです。


立体の制作と撮影方法も、なんとも気が遠くなるような複雑な工程がとられています。

そもそも、先生がモチーフに選ばれる名画の基準が「絵画でしか成立しえない空間」であること。(!!)
立体化した時点では破綻しているんですね。
絵では奥にいるはずの人物を手前に配置して帳尻をあわせるなどします。
ファインダーをのぞいて微妙な調整をしたり、
版によって伸びる率をミリ単位で計算して、ほーんのちょっぴり比率を変えたり…相当に緻密な計算によって作られているのです。



写真の上に刷られた線画にもご注目。
抱一の夏秋草は、光琳の風神雷神図屏風の裏に描かれたものなので、版には雷神の姿が描かれています。



今回の展示ではその版画の原画もご紹介しており、その遊び心やモチーフにちなんだ小ネタ満載の楽しいミクロ世界も堪能していただけます。




モチーフの名画を2次元(平面)から3次元(立体)へ起こし、さらにそれを2次元(平面)へ再びかえす。
『2・3・2』には、まず作品を読み解くための制作のプロセスがあらわされています。

しかし、『2・3・2』というタイトルが私たちに訴えかけるのは、それだけではなさそうです。



マティスは、3次元上の風景(実際には赤いわけではない部屋)を、赤1色で描き「赤いアトリエ」と名づけて2次元に変換しました。
山田先生はその2次元をさらに不毛とも思える緻密さで3次元に戻し、複雑なプロセスを通じた制作方法により再度2次元へ…
2・3・2・3…と往復を重ねるマティスのアトリエですが、さて、そのいくつもの往路で消失するあるいは浮上するものは何なのでしょう?
先生の絵画をめぐる冒険の痕跡は、私たちに何を見せてくれるのでしょうか?

出し惜しむことなく紹介されている制作プロセスに思いを馳せて、その時間を共有することで、ぜひ「絵画をめぐる旅」を楽しんでいただければと思います。
展覧会は6月25日(月)までです。ぜひ6階美術画廊Xへお越しくださいませ。







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